「自分のことを好きにさせてくれて、ありがとう」―最上りんくが写真集【 線】に込めた恩返し

「自分のことを好きにさせてくれて、ありがとう」―最上りんくが写真集【 線】に込めた恩返し

ブレンダVIP東京・最上りんくさんへのインタビュー、全4回の第3回。この業界に来る前、りんくさんは自分への自信を完全に失っていたと言います。それから1年半。写真集という形にたどり着いた理由と、タイトル【 線】に込めた意味を伺いました。

第1回を読む▶︎「私だけ取り残されちゃった」―新章のキャバ脱ぎと、最上りんくが背負った覚悟

第2回を読む▶︎お互いが、高級な食器。―人見知りの最上りんくが、業種を超えてトップを取り続ける理由


豆大福:ここからは【 線】についてもお聞きしたのですが、今回の写真集はどのような思いを込めて製作されたのでしょうか?

りんくさん:私、こっちの業界に来る前に一回、自分自身に自信がなくなっちゃって。鬱に摂食障害に、心の病を一通りみたいな状態だったんですけど。「こんな人を応援してくれたり、愛してくれる人ってもういないんだろうな」って結構諦めて、卑屈な状態でこっちに来ちゃってたんですよ(笑)。

でも1年半働かせていただいて、たくさんの本指名様ができて。あと10時間とか17時間とか予約を取ってくれたり、こんな私でも認めてくれる、好きになってくれる人がいてくれて。入店したときは「自分に自信なくて」とかよく言ってたんですけど、その人たちに「自分のことを好きにさせてくれてありがとう」っていうのを伝えたくて、今回写真集を作ったんです。

それに、シティヘブンの写真とかってスクショがダメじゃないですか。手に取って保存できるものの形として写真集を作った感じですかね、今回は。恩返しの意味が、一番大きいですね。

豆大福:一度自信をなくしてしまったのは、何が原因だったんでしょうか?

りんくさん:当時から仕事はすごい順調で、成績も良かったですし、お金も稼いでたんですけど。途中で急にうつ病になっちゃって、半年ぐらい働けなかった時期があって。そこから自信がなくなっちゃって、って感じだったんです。前の仕事では別に何が嫌とかも特になかったんですけど、なっちゃった時期があって。

豆大福:当時の状況でもう一度接客業を選ぶのはしんどくなかったですか?

りんくさん:私って喋ることしか取り柄がないって思ってたんですよ自分で。人を元気にさせる、一緒にお酒を飲んで元気にさせたりとか、あとは容姿しか武器がない、って。別に学がめちゃくちゃあるわけでもなければ、英語とかも喋れるわけでもないし。

「自分に何ができるんだろう」「自分って何を持ってるんだろう」「何を使ったら稼げるんだろう」って思った時に、やっぱり人と接して、接客をしてお金をいただくっていうのしか自分にはできないなって、どう考えてもなっちゃって。YouTubeとか見てたらすごい自信満々に見られるんですけど、自分には武器が少ない分その武器の火力が高いから接客業にまた戻ろうって思いましたね。

豆大福:でもやっぱり戻ってすぐの頃はしんどかったですよね?

りんくさん:私、去年の2月にこの業界に来たんですけど、最初は普通の飲み屋じゃないんで、キャバクラじゃないからどうしたらいいかも分からないし。でも「私だからなんとかなるだろう」みたいな。それが大きかったですね。接客業に関しては、もう「私ならなんとかなる、大丈夫」とは思ってたと思います、当時も。

豆大福:ものすごく思い入れのある写真集になりますね。

りんくさん:そうですね。私すごい写真嫌いなんですよ本当は。撮られるのとか。YouTubeも全然乗り気じゃなかったし。写真を撮られることに対して好きじゃないというか、苦手意識があって。それはもうずっと昔から写真嫌いで。

でも、みんな私の写真が好きだとか、私自身をもっと見たいって言っていただけるから。苦手でもその人たちが喜んでくれることって何だろうと思ったときに恩返しとかを口で言うのではなく一冊の手に残るもの、写真集にしようと思って今回作った感じでしたね。形に残るとずっと持ち続けられますもんね。そういう感じで写真集にしました。

豆大福:出来上がった写真集を初めて手に取った瞬間はどのような感情が沸きましたか?

りんくさん:届いた瞬間に、「うわ〜。私だ」みたいな(笑)。「第三者から見た私って、これなんだ」みたいな。

自分はもちろん時間を商品にしてるんですけど、こうして写真が商品になったのを見て、「すごい、私って今、私自身の全部を商品にしてるんだな」っていう感動というか、それもあったし。あと、身体を修正してないんですよ、あの写真1枚も。で、「うわー」みたいな、「私スタイルいいな」みたいに思って。「身体修正してないのにスタイル良すぎだろ!」って思いましたよ(笑)。

でも少し、本当にこれを手に取って喜んでいただけるのかなっていう心配と不安はありました。

豆大福:確かに。時間を商品にしている中で存在する自分と、作品を商品にした時にそこに映る自分って自分自身で見るとギャップがあるのかもしれないですね。

りんくさん:本当にそうなんですよね。「うわー」と思って。嬉しいとかそういうのよりも、「こんなんなんだ」みたいなのが一番率直な感想でしたね。本当に写真集にして自分をこう見た時に、もう本当素直に「うわー、めっちゃスタイルいいなー」みたいな。素直な感情はそれでしたね。

豆大福:写真集のタイトルが【 線】ですが、どのような意味を込められたんでしょうか?

りんくさん:私、夜の商売・飲み屋の時もそう思ってたんですけど、このお仕事って【線】というものが大切だと思ってて。線っていうのは、人々との縁の線とか、あとこっちで言っちゃえば予約の電話も線でつながってるじゃないですか。その人とスタッフさんが、みたいな。

あとは当たり前に、写真とかの見せ方で大切な視線、目線、身体の曲線。なんか全てをこの一冊にまとめたくて。サブタイトルにもしてるんですよ、「視線、目線、曲線、あなたのために作り上げた私」って。いろんなものをひっくるめた「線」を1年半大切に育てて守ってくれたお客様がいて、それを形にできたらなと思ってタイトルにしました、そのまま。

結構スタイル管理も表情も伝わったらいいなと思って頑張ったので。よかったら1周目に見る時は好きに見ていただきたいのですが、2周目に見る時は色々な線を意識して見てみてほしいです。

豆大福:線の前に1つスペースが空いていますよね?

りんくさん:そう。ここはなんか、あなたにとっての一言を入れてくれてもいいなと思って。この写真集を見てどれが一番気になったとか、私が決めるんじゃなくてあなたに決めてもらいたいとか思ったりもして空けました。

なんか、その人の私でいたいから、タイトルを全部自分で決めるんじゃなくて、前に1個空けて「あなたはどう思った?」と思って。

あと、私と何の線を大切にしてくれてるかとか、どういう経緯でつないでくれたとか、つながってくれたとかって考えたら、形をあらかじめ決めるんじゃなくてフワッとした題材だけあって一緒に形にしていけたらなこれからも、と思ったので1個空けましたね。

豆大福:このタイトルは、どうやって決まったんですか?

りんくさん:なんか本当に、タイトルを考えるときにパッて出てきたんですよ。降ってきたみたいな感じで、「もうこうしよう」みたいな。


【最終回予告】

身体は一切修正なし。そのために最上りんくさんが撮影に向けてやったことは、想像を超えるものでした。撮影地に選んだ古民家、雨に救われた一日、そして「私たちはアイドルじゃない」という強い信念。最終回は、写真集【 線】のこだわりと、お会いした方限定にした理由に迫ります。

第4回「私たちは、アイドルじゃないんで」へ続く

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豆大福
ライター

豆大福

甘党ですが和菓子は苦手です
ちなみに豆が食べれません